中東戦争(ちゅうとうせんそう)は、ユダヤ人国家・イスラエルと周辺アラブ国家との間での戦争である。1948年から1973年までの間に大規模な戦争が4度起こっており、それぞれが第一次~第四次に分類されている。第四次中東戦争以後、イスラエルとの本格的な武力衝突は起きていない。いくつかの理由が挙げられるが、第一に、ナセルの後を引き継いだサダト・エジプト大統領は、反イスラエル路線を転換し、1978年3月に単独で平和条約に調印したためである。かつてアラブの盟主を自認し、中東戦争を先頭で進めたエジプトの離脱は、アラブの連携を崩した。サダトはノーベル平和賞を受賞したが、1981年10月、アラブ主義者によって射殺された。しかしエジプトの基本路線は現在も覆っていない。第二に、1979年にイランで起きたイスラム革命である。イスラム原理主義による国政を目指す勢力が、国王を国外追放して政権を握ってしまったことは、社会の近代化を進めようとするサウジアラビアなどのアラブの王国にとって脅威であった。アラブ諸国は革命が自国に飛び火することを恐れ、イランに対する締め付けを図った。それはイスラム革命の世界的広がりを恐れるソビエト連邦やアメリカ合衆国なども同じであった。1981年、アラブを代表して国境を接するイラクがイランとの全面戦争(イラン・イラク戦争)に突入し、アラブ各国をはじめ、米ソもイラクを支援した。イラン・イラク戦争後の1990年、イラクはクウェートに侵攻、翌1991年にはアメリカとの湾岸戦争に突入した。アラブ諸国はアメリカ主導の多国籍軍に参加し、アラブ同士が殺しあう結果となった。アラブの敵はイスラエルからシーア派急進派のイランへと移り、アメリカの思惑でイラクへとすりかえられた。アラブ諸国は否応無くアメリカに取り込まれ、イスラエルに反抗するだけの力を失った。